労働審判の大きな4つ目の特徴は権利判定機能が備わっている事です。
労働審判の流れとして3回目期日までにお互い譲歩して妥当な解決水準を模索します。
原則として交互に労働審判委員会に対して、「ここまでなら妥協できるが、この点は譲れない。」等の言い分を伝え、そのうち伝えていい部分を委員会から他方に伝え、それを検討した結果を委員会に伝えるという作業を繰り返します。
なかなか合意点が見いだせない場合は、途中で双方とも部屋から出され、労働審判委員会の見解や「調停案」が提示されることもあります。
そして、それでもいずれか一方が応じなければ「調停」は打ち切られ、最終的には「労働審判」が言い渡されます。
制度・手続と同じ名称のためわかりにくいのですが、これは通常訴訟の判決と同義で、双方の主張立証を踏まえて、労働審判委員会が妥当と考える解決内容を具体的に示されます。
「えっ,そんなの当たり前じゃないの?」と思われるかもしれませんが,たとえば労働局のあっせんは参加するか否かも自由なため、まったく強制力がありません。
これに対し、労働審判手続では、呼出しを無視すれば欠席判決ならぬ「欠席労働審判」が出るリスクがあるため、会社側が出廷しないことはほとんどありません。
また、この「労働審判」は裁判所のれっきとした判断(公権的判断)ですから、確定すれば判決と同一の効力があり、差押え等の強制執行をすることも可能となります。 そうすると、労使双方にとって、0か100かという危険な賭けを行うよりも、進んで譲歩してある程度の水準で「調停」に応じようとの強い動機付けが生まれます。
この権利判定機能こそが,労働審判制度の成功(順調な利用件数推移,高い調停成立率)の要因といわれています。